九州焼酎島

2016/02/16

ゆったり焼酎日和 | 第10回 百年の孤独で梅酒

梅酒が人気だとは聞いていたが、学問の神様として知られる太宰府天満宮(福岡県太宰府市)で最近、全国梅酒まつりが開かれていたという。北海道から沖縄まで、さまざまな梅酒が集まってきて、試飲・販売がされたんだとか。

 

ホームページを見ると、九州からもたくさんの焼酎蔵元が出展していた。「小鹿梅酒」 (小鹿酒造)といった正統派のものや、炭酸が入った「薩摩スパークリング梅酒」 (山元酒造)も。ただ、日本酒蔵の出展の多さには驚く。

 

梅酒って、蒸留酒でつくるもんだとばかり思っていた。アルコール度数が高くないと、腐りそうなイメージがあったのだ。でも、梅酒にはいろいろカテゴリーがあって、本格焼酎など蒸留酒でつくる梅酒は「蒸留梅酒」、日本酒など醸造酒でつくると「醸造梅酒」と言う。「蒸留梅酒」と「醸造梅酒」で定められた原料以外(例えばレモンの果汁とか)を加えると、「ブレンド梅酒」となるとか。

 

梅の実は、殺菌作用など体に良い効果がいっぱいあると言われる。我が家は一時期、「梅パワー」にあやかって梅酒づくりに挑戦したことがある。梅の実を洗って下処理をして、さあ漬けようとしたら、酒が見当たらない。アルコール度数が高い酒が必要と思っていたので、探してみたら、あるじゃないか。40度の「百年の孤独」(黒木本店)が2本も。

 

「もったいない」と多くの方に言われそうだが、僕はプレミアム麦焼酎を惜しげもなく、1本半注いだ。10年ちょっと前の話だ。結婚する直前だったこともあって、思い出の梅酒にいいじゃないと思ったのである。

 

今も、我が家の「百年の孤独梅酒」は物置に眠っている。久々にのぞいてみたら、色が濃い赤色になっている。香りをかいでみたが、甘くて、いい感じ。舐めてみたら、梅の香りがぷ~んとして、口当たりもまろやかだ。あと20年ぐらい寝かせて、成人した息子、娘と妻の4人で、飲めたらなと想像をふくらませている。

 

それまでは、プロの酒蔵が造る梅酒でつなごう。各蔵の味はそれぞれだろうな。そんなことを考えていたら、焼酎の楽しみが、またひとつ増えた。

 

(渡邊精二)


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