九州焼酎島

焼酎の種類
芋焼酎

芋焼酎

さつま芋を主原料にした焼酎。産地である鹿児島県、宮崎県で多く製造される。 芋の甘い香りがそのまま出ていて濃厚な味わい。昔は独特のにおいを敬遠する人もいたが、蔵元の努力で飲みやすくなっている。 原料としてポピュラーなのが品種コガネセンガン(黄金千貫)だ。焼酎用として生まれた品種ジョイホワイトは白色の芋で、癖のない焼酎ができる。焼き芋で人気のベニアズマ(紅あずま)、ベニサツマなども使用される。最近では食用で甘い安納芋も人気だ。

それぞれの芋の味の特長は?

芋の種類はたくさんある。最近では各焼酎蔵が特色を出そうと、色んな芋を使った焼酎に挑戦している。
さて、芋によって、味はそんなに変わってくるものなのか?


代表格のコガネセンガン

濃代表格のコガネセンガンは、皮も身も白色をしている。品種を開発した研究者が無類の焼酎好きだったという逸話もあるぐらいで、芋焼酎造りにはぴったりのでんぷん質が多い品種。芋焼酎の多くがこの芋で造られており、日本酒でいう米の山田錦のような存在だ。 食べても美味しく、蒸すと甘い香りがぷ~んと漂う。焼酎の味はフルーティーな香りと柔らかな口当たりが特長といわれる。 「森伊蔵」(鹿児島・森伊蔵酒造)、「魔王」(鹿児島・白玉醸造)、「村尾」(鹿児島・村尾酒造)の3Mをはじめ、「三岳」(鹿児島・三岳酒造)など有名銘柄の多くはコガネセンガンが原料である。焼酎人の山崎幸一郎さんが勧める「天狗櫻」(鹿児島・白石酒造)も、この芋が使用されている。


ジョイホワイト

ジョイホワイトは芋焼酎用なので熱しても甘くない。芋臭くないすっきりした味わい。独特な香りを敬遠する人には受け入れられやすい。「山ねこ」(宮崎・尾鈴山蒸留所)が使っている。


ベニアズマ(紅あずま)

ベニアズマは有名な食用芋で、甘みの強さが特長。なので、その食味と同じく甘くて香り高い焼酎になるとされる。「千鶴紅あずま」(鹿児島・神酒造)などがある。


ベニサツマ(紅さつま)

ベニサツマ(紅さつま)は皮が鮮やかな紅色で焼くととっても甘い。その通りに、甘い香りが楽しめる。この芋を使っている「赤無双」(鹿児島・さつま無双)は華やかな香り。


安納芋

安納芋は焼き芋にしたらねっとり甘い。高価な芋なので値段も高め。これも甘い香りに期待したい。安納芋の産地、鹿児島県の種子島酒造から、その名も「安納」が出ている。


クリコガネ(栗黄金)

生産量の少ないクリコガネ(栗黄金)という芋で造った「くりこがね」(さつま無双)、「相良兵六 栗黄金」(鹿児島・相良酒造)も試してみたい。上品でいて、強い香りが楽しめるという。


クリアズマ(栗東)

クリアズマ(栗東)という品種が使われた「栗東」(鹿児島・白石酒造)も、焼酎通に知られた存在だ。


芋焼酎は使用される芋の特長がそのまま出るのだが、正直なところ、麹や熟成方法によっても味や香りは変わってくるので、飲み比べて、好みの芋を使った焼酎を見つけてほしい。