九州焼酎島

2015/12/30

ゆったり焼酎日和 | 第6回 うまい焼酎、まずい焼酎

「九州焼酎島」の取材をしていて、「どの銘柄焼酎がおいしかったですか?」と、みんなに聞いている。人それぞれ、好きなブランドがあって「甘い」「すっきり」「香りが良い」など理由もさまざま。食べ物だって、甘いモノが好きな人、辛いモノが好きな人と好みは異なるわけだから、人によって「うまい焼酎」が違うのは当たり前か。

 

鹿児島のある焼酎の杜氏さんが言うには、「ちかごろは、まずい焼酎はない」。鹿児島に限って言えば、いずれも平均点以上のうまい焼酎を造っているという。それだけ、昔に比べて製造技術が上がっているのだ。

 

この杜氏さんいわく、「森伊蔵」が幻の焼酎ともてはやされているが、同じ芋、同じ製法で造れば、似たような美味しい焼酎ができる。「森伊蔵と同じ原料、製法でつくった焼酎を、こっそりと森伊蔵の瓶に入れたら、素人さんには、わからないですよ。逆に森伊蔵の中身を、他の銘柄の瓶に入れ替えたら、焼酎のプロでもわからないのでは」。

 

つまり、わざわざプレミアム価格で焼酎を買わなくても(森伊蔵が定価なら喜んで買いますよ!)、うまい焼酎は世の中にいっぱいあるということである。逆に、まずい焼酎はないわけだから、ハズレくじを引く心配もない。2016年は「ノーリスク・ハイリターン」で焼酎を追い求める。何千もある銘柄の中から、自分の好みの味を見つけたい。

 


うまい焼酎、まずい焼酎うまい焼酎はいっぱいあるが、まずい焼酎はもうない?


(渡邊精二)


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