九州焼酎島

2015/12/28

ゆったり焼酎日和 | 第5回 焼酎の水

本格焼酎は、そもそもが、「水割り」である。宮崎県都城市の鶏料理店「ぼっけもん」店長の黒木雄一さんに言われて、「そうだよな」と気付かされた。

 

蒸留したての焼酎の原酒は、アルコール度数が40度強。それに水を加えて、25度~20度にアルコール度数を落とし、販売している。お店に並んでいる焼酎のほとんどは、「水割り」なのだ。

 

だからこそ、「お湯割り」「水割り」にするときには、水にこだわりたい。本格焼酎の本場、鹿児島や宮崎は名水が多い。最近付き合いのある、鹿児島県垂水市の垂水温泉水、「温泉水99」は、焼酎にとっても合う。何が良いって、軟水だから良い。知り合いのバーのマスターも、蒸留酒の水割りには、「絶対に軟水」と言っていた。

 

温泉水99は、硬度が1.7しかない。日本の水道水の平均硬度が50ぐらいだから、ものすごく柔らかい水だ。飲み口はなんだか、ふわふわしている。温泉水99で焼酎を割ると、柔らかいから、スイスイ飲める。お代わりの率が高くなってしまうのである。

 

「焼酎人」に出ていただいた、今田篤子さんが店長を務める東京の蒸し料理専門店「ムスムス」でも、焼酎の割り水に、温泉水99を使っている。この水、他の市販の水よりも、お値段はちょっとだけ高い。でも、着る服やオーガニックの食べ物にお金をかける前に、命の源である水に、まずはお金を出したい。そう思って、我が家で定期購入を始めた。

 

食卓には、鹿児島の芋焼酎に、鹿児島の名水。晩酌が楽しくて仕方ないのである。

 

(渡邊精二)


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