九州焼酎島

2016/07/06

ゆったり焼酎日和 | 第19回 焼酎とウナギ

暑い。立っているだけで、汗がしたたり落ちてくる。

 

ことしの梅雨明けは早そうだ。ということは、長い夏になる。うだるような暑さが続くのか。そう考えると、夏バテが心配である。食が細くなってくるからだ。

 

栄養価のあるものを食べて、体力をつけなきゃ。夏で栄養が高いもの? 頭に浮かぶのは、ウナギである。ことしの「土用の丑の日」は7月30日だとか。ただ、待てないな。そう思っていたら、おいしいウナギの蒲焼きに、ありつくことができた。

 

鹿児島県垂水市で天然アルカリイオン水「温泉水99」を販売している、エスオーシーさんに頼まれて、ウナギの蒲焼きの撮影をしたのである。写真を撮り終えたウナギは、あっという間に、僕のお腹に消えていったのは、言うまでもない。

 

そして、このウナギの大きなこと、肉厚なこと。鹿児島は養殖うなぎの生産量日本一という。稚魚のシラスウナギが減って生産量も落ち込み、庶民には高嶺の花となってはいるが、さすが本場とは思わずにいられない、りっぱなウナギだった。値段も、福岡などでお目にかかるものより、安い。

 

昼間の撮影だったから、お酒は飲まなかったが、ウナギの隣に冷えたアルコールがあったらな、と思う。蒲焼きは甘辛い味付けだから、一緒に飲みたいお酒は、やっぱり焼酎かな。口の中の甘さを、さわやかに洗い流してくれそう。日本酒だと、蒲焼きの味に負けてしまいそうな気がする。ウナギの蒲焼きをはじめとして、豚の角煮など味の濃い料理が多い鹿児島で、焼酎が飲まれるのには、そんな理由もあると思う。郷土のお酒って、郷土の料理とセットの関係だから。

 

「土用の丑の日」は、蒲焼きのかたわらに焼酎の水割りを用意しようと思う。さわやかな黄麹仕込みの芋焼酎「海」(大海酒造)は合うかも。最近、気になっている黒糖焼酎も、夏にはぴったりだ。うちに「奄美」(奄美酒類)があったから、試してみようか。

 

栄養たっぷりのウナギを肴に、キンキンに冷えた焼酎の水割りを喉に流し込む。想像すると、ちょっとだけ涼しげな気分になってきた。

 

(渡邊精二)


<
>