九州焼酎島

焼酎人
磯部せいら(いそべ・せいら)さん

「伝え人」たちが、焼酎の魅力を語る。
~ 焼酎マイスター 磯部せいら(いそべ・せいら)さん ~

大好きな本格焼酎の良さを、たくさんの人に知ってもらいたい、と活動する人たちがいる。
世界に向けて焼酎を発信する人。大学で焼酎を学び、同世代の女性に広めている人。
こだわりの焼酎を造っている人。そんな「伝え人」たちが、焼酎の魅力を語る。

焼酎が好きになるきっかけですか?

広告に携わる仕事をしていたんです。 仕事柄、女優さんやモデルさんとお話する機会があったんです。一緒に仕事の打ち上げに参加させていただくと、そういう方が飲んでいるんですよ、焼酎を。 それに、びっくりして。九州の私の方が飲んでいないなんて・・・。それが、出発点なんです。

モデルさんとかは、体のことに気をつけている方が多くて。体を冷やさないとか、むくみにくいとか、ということをよく考えていらっしゃって。 お湯割りを飲まれる方が多いんですよね。お湯のチェイサーを頼まれる方もいるんですよ。

なぜ「焼酎マイスター」になろうと思ったかって?

私、生まれも育ちも福岡市なんですが、広告の仕事で鹿児島に勤務していたんです。 ある朝、新聞を読んでいたら、鹿児島大学で「焼酎マイスター養成講座」の受講生募集の記事が載っていたんです。 「鹿児島での思い出がつくれるんじゃないかな」と思って。でも、思い始めたら、いてもたってもいられなくなって。 応募は郵送でもよかったんですが、仕事の会議の合間に30分の時間ができたので、直接、履歴書を届けに行きました。

講座は毎週土曜日にありました。年間120時間かけて、酒の歴史、酒税法、製造方法、さつま芋の種類、 海外の酒事情などをゲスト講師から学ぶんです。1コマ90分なんですが、毎回、レポートを出さないといけない。大変でした。 仕事で行けない時もあります。その時は、大学でビデオ録画した講義を見てからレポートを出すんです。でも、苦労した甲斐はありました。 好きなものをマニアックに学べて、焼酎を通じて素敵な方に出会う機会が増えたんです。おいしい焼酎の情報もいっぱい入ってきます。本当、楽しいんですよ。

でも、焼酎とは本業としてでなく、プライベートでかかわっていきたいです。楽しんで、飲みたいですもの。 ただ、この資格を持っている以上、焼酎のよさを、もっと広めたいです。特に同世代の女性に知ってもらいたい。 友達の居酒屋にも、おすすめの焼酎を置いてもらっています。 私の家には、胡麻焼酎の「紅乙女」(福岡・紅乙女酒造)、芋焼酎の「森ノ水」(鹿児島・本坊酒造)など30銘柄ぐらいの焼酎がありますよ。 最近飲んだので印象に残っているのは、芋焼酎「熟柿」(鹿児島・八千代伝酒造)。芋焼酎「六代目百合」(鹿児島・塩田酒造)もおいしかったです。

鹿児島伝統の酒器、黒じょかも持っていますよ。

友達が来た時に、使います。喜ばれますよ。1人の時は使わないです。 だって、1人で夜中にお湯割りをつくっている姿って、何か寂しいじゃないですか(笑)。温度にもこだわります。 人肌がいいと言われますが、私は40度より上が好きですね。そのために、温度計も買ったんですよ。

やっぱり、基本はお湯割りで飲みたい。香りがいいですもの。 ただし、飲み会の時は、いきなり「お湯割り!」というと引く人がいるんで、まずは水割りとか、ロックでちびちびとやっています(笑)。 酒や飲み方の順番はいいんです。みんなで楽しく焼酎のお湯割りを注ぎ合いながら、飲む文化を広めたいな。 私、男性と大切な日に行くお店がイタリアンとかオシャレなレストランじゃなくても、乾杯がワインじゃなくてもいい。 焼酎の瓶やラベルもかっこいいと思います。好きな男性とおいしい日本料理を食べながら焼酎で乾杯できるなんて、最高じゃないですか。

私、焼酎マイスターとしての夢が二つあるんです。

一つは、もちろん焼酎の魅力をたくさんの人に広めること。 もう一つは、私の名前と同じ「せいら」という黒糖焼酎をつくっている蔵元、鹿児島・喜界島酒造に行くことです。 この焼酎、夜空一面に輝く星をイメージしているんですよ。島のきれいな星空の下で、「せいら」を飲んでみたいなぁ。


プロフィール

磯部せいら(いそべ・せいら)さん

1984年生まれ。福岡市出身。 広告代理店在籍中に約4年間、鹿児島で勤務し、駅ビルの販促などを担当。鹿児島大ルネッサンスアカデミーの焼酎マイスター養成講座1期生。 専門知識を生かして、同世代の女性に焼酎を好きになってもらいたいとプライベートで活動中。