九州焼酎島

2020/08/25

焼酎出荷量は宮崎6年連続首位

2位鹿児島、3位大分

芋、麦、米などを原料とする本格焼酎の2019酒造年度(2019年7月〜2020年6月)の出荷量は、宮崎県が6年連続で首位だった。

2位は鹿児島県、3位は大分県、4位に福岡県。

全国の本格焼酎出荷量は、40万1204キロリットル。

2018酒造年度に比べて、4.1%減っている。

缶酎ハイ人気に押され、さらに今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響で飲食店の休業などが影響したとみられている。

トップの宮崎は12万3974キロリットルと前年度比3.9%減。

ただし、6年連続で頂点に君臨できているのは、全国首位の売上高、659億円(2018年)を誇る芋焼酎「黒霧島」の霧島酒造のおかげ。この焼酎界の巨大戦艦に、売上高171億円(2018年)で4位の雲海酒造が加われば、他が小規模の蔵が多くても1位は盤石だというわけだ。

2位の鹿児島は、9万5089キロリットルで前年を5.9%下回っている。

全国一の100以上の本格焼酎蔵を抱える鹿児島。

「海童」の濱田酒造、「さつま白波」の薩摩酒造、「薩摩一」の若松酒造、「桜島」の本坊酒造など売上高で全国トップ10に入ってくる大きな蔵もあるが、それらが束になっても霧島酒造1社に及ばない。

3位の大分は、「いいちこ」の三和酒類、「二階堂」の二階堂酒造という麦焼酎メーカーが牽引するという現状は変わらない。

ここまで、県別で本格焼酎の出荷量ランキングについて書いたのだが、結局は大きなメーカーがある県が上位になる。本格焼酎界で霧島酒造が圧倒的に強い現状では、宮崎がこの先もトップを守り続けるだろう。

九州・沖縄で本格焼酎出荷の9割

今回のデータを見ると、本格焼酎の出荷量は、全体の9割を九州7県と沖縄県が占め、「九州焼酎島」は健在だ。

需要が減っている現状で、「宮崎だ」、「鹿児島だ」と言っている暇はない。

正直な話、多くの消費者にとっては「焼酎」はあくまで「焼酎」であって、「宮崎の焼酎」「鹿児島の焼酎」などと、県別にこだわらない。

本来、競うべきは、酎ハイや日本酒など、他のお酒であろう。

「九州焼酎島」として一丸となり、九州が誇る産品である本格焼酎を、大消費地である関東、関西も含めて、PRしていくべきではないだろうか?

 

 

 

 

 

 


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