九州焼酎島

2017/05/08

ゆったり焼酎日和 | お神酒は焼酎でもいい?

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お神酒に黒霧島?

神様へのお供えは焼酎でもOK

最近、町内会の地祭りに参加して、ふと気づいた。神様へのお供え物の中に、芋焼酎「黒霧島」がある。お神酒(みき)って、日本酒(清酒)だと思っていた。参加者に聞いてみたら、どんなお酒でもいいらしい。

八百万の神々がいるとされる日本では、神社の祭事でお供え物にお酒はつきもの。僕はお神酒は「日本酒」と頭の中にあったけど、鹿児島では芋焼酎をお供えしたりするというし、奄美地方は黒糖焼酎、沖縄では泡盛が神前に置かれたりするそう。地酒を神様に捧げるということか。(※ちなみに、黒霧島は僕の集落の地酒ではない)

そもそも、神様へのお供え物は、神饌(しんせん)と言う。ご神前へのお供え物の代表格はお米だ。お米から造られるのが日本酒だから、一般的に神前に清酒が並ぶことが多いのは納得である。神社によっては、自ら造ったお酒(どぶろくなど)をお神酒にしているところもあるという。

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お神酒は神様の力をいただくお酒

そして、神饌にはお米やお酒とともに、魚や野菜、塩、お菓子などがお供えされる。

祭事が終わったら、神様の力が宿ったお供え物を参加者でいただく。これが「直会(なおらい)」である。簡単に言ったら、町内会の宴会のようなものだ。

徳島県神社庁のページを読んでいたら、お酒という言葉には悪いことを「避(さ)ける」、良いことがますます「栄(さか)える」という意味があるという。お酒はご法度など戒律の厳しい外国の宗教がある中で、お酒の飲める日本の神様はええだろう、という記述に、妙に共感してしまった。

そう言えば、現存する最古の「焼酎」という記述は、鹿児島の神社で発見されている。伊佐美や黒伊佐錦、伊佐大泉などで有名な鹿児島県伊佐市にある郡山八幡神社。「焼酎も振る舞ってくれないけちな施主」という大工の落書きだった。

内容はともかく、焼酎と神社は縁が遠くはないらしい。

なんだか、にわか知識がつくと、町内会の直会では、いつも以上にお酒が進んだ。お神酒には、ご利益がありそうだから。(※飲み過ぎには注意です)

ちなみに、紅乙女酒造から「直会」という名前の芋と麦の2種類の焼酎が出ていて、結構いけるから試してみては。


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