九州焼酎島

2017/07/11

ゆったり焼酎日和 | 今こそ、豪雨被災地の酒を飲もう

ゑびす酒造は大丈夫

朝倉市を襲った記録的豪雨

緑いっぱいの山々、街中をゆったりと流れる筑後川。昨夏、見ているだけで癒やされた景色が、九州北部を襲った豪雨で一変してしまった。

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ゑびす酒造の田中健太郎さん(2016年8月撮影)

九州焼酎島の取材で1年ほど前に訪れた福岡県朝倉市杷木林田のゑびす酒造。樫樽で長期間寝かせた麦焼酎「らんびき」が代表銘柄の蔵だ。社長で杜氏の田中健太郎さんの携帯電話の番号を鳴らすと、「蔵に被害はでていません。大丈夫です」との声が返ってきた。

ただ、蔵のある杷木林田地区の被害はすさまじい。報道で流れてくる、写真や映像は、濁流で冠水した道路に、大量の流木や土砂。「蔵からわずか200メートルほど離れれば、被害は甚大です。地形が変わってしまったところもあり、幼いころから見慣れた風景がなくなってしまいました・・・」

お客さんが亡くなった

直売店も休業状態

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健太郎さんによると、林田地区でも亡くなったお客さんがいる。お世話になっていた地元の3つの酒店は大きな被害を受けて、再開のめどが立たない状況という。

ゑびす酒造は蔵自体に被害はないが、周辺道路に通行止めが複数あることなどから、直売店「ALEMBIC」をしばらくの間休業することにした。

焼酎も製造している篠崎が甚大被害

工場浸水、朝倉市の酒蔵

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左上が篠崎の「比良松」(友添本店で)

朝倉地区の他の酒蔵が豪雨で甚大な被害を受けた。「比良松」「国菊」などの日本酒のほか、甘酒の「国菊」、そして「博多献上」といった麦焼酎も製造している篠崎(福岡県朝倉市比良松185番地)。

蔵全体に浸水し、機械が水に浸かった。健太郎さんも7月10日、他の焼酎蔵の仲間と復旧活動の手伝いに行った。工場に入った大量の土砂をとりのぞくのが大変だったという。

復旧はいつになるかわからない状況。「工場には大人の腰辺りまで浸水したような跡がありました。できるだけ早く営業再開できることを願ってます」と健太郎さんは言って、続けた。「ゑびす酒造も地域の被害の大きさを目の前にして、これからどうしていくのか考えると途方に暮れます。一方で、私たちを応援してくれる方がいるので、励まされています。まずは、蔵としてできることから、一歩ずつやっていきたいと思います」

被災地の酒を飲んで、応援しよう!

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東峰村の片岡酒造場も被害を受けたという

酒蔵復旧の手伝いに行けない人にとって、何か力になることがあるとすれば、それは、お酒を買って飲むことではないだろうか。

篠崎の麦焼酎「博多献上」を飲めば、蔵にとって少しばかりの応援になる。

ゑびす酒造の樫樽長期貯蔵の「らんびき」を飲めば、少しは手助けになる。

ほかにも、九州北部の豪雨で被害にあった酒蔵はある。

われわれ九州焼酎島は、被災された酒蔵、被災地で懸命に前を向く酒蔵を文章を書くことで応援していきたい。

お酒によって、人生の楽しみが増えたという、みなさんもいるはず。いまこそ、恩返しの時です。被災地の酒蔵のお酒を買って、復興を支援しませんか?


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