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焼酎の全麹仕込みって何?

焼酎の全麹仕込みって何?

焼酎のラベルに「全麹」もしくは「全麹仕込み」と書いているのをよく見る。この全麹とは何なのか?

全麹仕込みとは、沖縄の泡盛を造る時に用いられる手法

全麹仕込みとは、沖縄の泡盛を造る時に用いられる手法だ。

一般的に焼酎は二段階で仕込む。まず、麹菌に水と酵母を加えて一次仕込みを行い、麹を発酵させる。さらに芋や麦、米などの主原料を加えて二次仕込みをし、発酵を進める。

泡盛の仕込みは、主原料のタイ米すべてを麹にする一次仕込みだけで終え、蒸留する。つまり原料すべてを麹にして、麹のみを発酵させる手法が全麹仕込みである。

泡盛が全麹仕込みされる理由は、年間を通して気温が高い沖縄では雑菌が繁殖し、二次仕込みまでやっていると、もろみが腐敗してしまうからだ。それを防ぐために、一次仕込みで終わらせてしまうのである。

この泡盛で取られる全麹仕込みを、本格焼酎でも用いる蔵が増えている。麹で一次仕込みし、さらに麹で二次仕込みするという、とっても贅沢な手法だ。麹のみで発酵させているため、ラベルの原料表示には「麦麹」「米麹」などと、麹しか表示されない。


全麹仕込みの焼酎は原料の甘みや風味を引き出す

全麹仕込みの焼酎は原料の甘みや風味を引き出すという。

全麹仕込みの焼酎は、佐賀・窓乃梅酒造の麦焼酎「全麹仕込み・かめ貯蔵 蒼天」、宮崎・雲海酒造のそば焼酎「雲海 全麹仕込み」、福岡・西吉田酒造の麦焼酎「つくし全麹」、大分・三和酒類の麦焼酎「いいちこ日田全麹」など九州各地で造られている。