九州焼酎島

2016/04/04

ゆったり焼酎日和 | 第15回 焼酎とカクテル Part2

本格焼酎を使った、本格的なカクテルを初めて飲んだ。

創業30年の鹿児島市の有名バー「ハイブリッジ」のバーテンダー、山中知広さんに作ってもらった。その名も「ショコラ・ドゥ・アムール」。昨年11月1日の「本格焼酎の日」に鹿児島県酒造組合が主催して行われた、第1回本格焼酎カクテルコンテストでグランプリを受賞した焼酎カクテルである。

喜界島の黒糖焼酎「朝日」(朝日酒造)に、GODIVAチョコレートリキュール、アマレットリキュールにフレッシュクリームを加えたカクテル。グラスのふちには、粉々に砕いたかりんとうが付けてある。

一口飲んだ感想は、月並みな表現になるが「うまい」。デザートのようなカクテルだ。粒々になったかりんとうがいいアクセント。何だか、上質なチョコレートケーキを飲んでいるよう。それでいて、お酒だからほんのり酔える。アマレットはアーモンドのような香ばしい香りが特徴だから、チョコレートのリキュールと合わないはずがない。そこに、黒砂糖でつくった焼酎が入るわけだから、組み合わせは抜群だろう。

イタリアのアマレットを使っているから、デザートというよりは「ドルチェ」と呼びたい。おいしい食事を味わった後に飲むのにはぴったりだ。一緒にバーに行った同僚の女性に一口飲んでもらったら「おいしい!」と言って、すかさず注文していた。カクテルコンテストのテーマが「女性がときめく本格焼酎カクテル」ということだから、グランプリもうなずけた。

山中さんらによると、それほどクセのない黒糖焼酎はカクテルベースとして良いという。ある程度のアルコール度数が必要だから、ハイブリッチでは30度の「朝日」を使っている。

本格焼酎は自由な酒である。どんな飲み方をしても良いのだが、九州にいると、なかなか挑戦的な飲み方に出会わない。そんな中で発見した黒糖焼酎の魅力。これは、山中さんに九州焼酎島の焼酎人に登場してもらいたい。取材の協力を取り付けて、ほろ酔い気分でバーを後にした。

(渡邊精二)


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